排水溝清掃には重曹とクエン酸が活用できる！各所の排水溝清掃のポイント

普段、「排水溝は汚れやすいから清掃をまめにしている」という人も多いかもしれません。しかし、清掃をこまめにしていても汚れが蓄積していることもあります。

重曹とクエン酸は体にも害がないということで人気の清掃道具です。今回は、重曹とクエン酸を活用した各所の排水溝清掃のポイントを解説します。

キッチンの排水溝清掃

キッチンの排水溝は、日々の清掃が必須となるところです。汚れる要因は食べかすや残り油、洗剤のカスなどです。残飯や食料のカスを養分にして雑菌が増え、滑りや臭いの根元となります。最悪の場合、その部分から食中毒が出る場合もあります。

清掃の際に準備するものは以下の通りです。

・重曹
・レモン汁（市販のもの）
・クエン酸
・歯ブラシ
・キッチンスポンジ

また、40～45℃程度のお湯を用います。下記、作業中に「お湯」とあるところは全て40～45℃程度のお湯のことを指します。

清掃手順は以下の通りです。

ゴミ受け皿や防水用ワンといった、取り外せるパーツは全部取り外します。はじめに、排水溝の外側にある丸型のみぞを綺麗にします。

そのみぞに沿って重曹をふりまきます。

重曹の上部にレモン汁をふりかけます。レモン汁内のクエン酸と重曹が化学反応して発泡状態になり、みぞ内の汚れが浮き上がります。

レモン汁はクエン酸水と同じ機能をもつので、少い量を使用したい場合、要所で使いたい場合に最適です。賞味期限がすぎたものや食材に付属していたものがあれば、掃除用に保管しておきましょう。

しばらく放置して、みぞを歯ブラシでこすり洗いします。重曹が研磨の役割を果たし、みぞの奥側にたまったゴミ汚れを除去できます。歯ブラシ全面が茶色くなって、汚れ落ち度がわかります。

作業が終了したらお湯で重曹をすすぎ洗いします。

つづいて排水溝内部を清掃します。排水溝に1カップ分の重曹を振りかけます。1カップ分のお湯に2分1カップ分のクエン酸を溶かしたものを準備し、上側から注ぎ入れます。

発泡状態をつくることで、排水溝の周辺に付着した軽度のゴミ汚れや滑りが浮き出て汚れを落としやすくなります。

30分くらいそのままにした後、側面部を柔らかなスポンジで、歯ブラシによって奥側の汚れを落としていきます。

最後にお湯で洗剤とゴミ汚れをすすぎます。

汚れ予防対策
キッチンの排水溝の汚れ予防にはアルミホイル活用が最適です。丸めたあと、生ゴミネットに放り込み、ゴミ受け部分にのせるだけです。アルミホイルから金属イオンが生まれ、滑りの発生を抑制します。

排水溝ネットを設置できる「流し清掃が手軽になる排水溝ネット固定具」といったアイテムを利用するのもいいでしょう。

浴室の排水溝の清掃

次に浴室の排水溝の清掃方法です。浴室の排水溝に触れたくないという人もいるかもしれません。

浴室の排水溝に蓄積される汚れには、抜け毛、皮脂汚れ、石けん破片、カビ菌が含まれます。抜け毛に石けん破片や皮脂汚れがへばりつき、もつれて滑りやカビ菌、異臭の要因となります。

準備する物は以下の通りです。

・中性タイプ洗剤
・重曹
・クエン酸
・歯ブラシ
・ゴム製手袋

清掃手順は以下の通りです。

まず、排水溝フタやゴミ受け皿、封水筒を洗います。中性タイプ洗剤と歯ブラシで汚れを洗い落とし、お湯ですすぎます。

ハイターでいっぺんにきれいにしたいところですが、実際中性タイプ洗剤とお湯だけでも十分に洗い落とせます。

以後、クエン酸を用いた清掃をするので、ハイターはもちろんのこと、酸性洗剤と混ぜ合わせると危険な洗剤は使用を避けましょう。どうしても使用したいときは日を改めて実施してください。

つづいて、排水溝の清掃です。

100グラム分の重曹と50グラム分のクエン酸を順番にふりかけ、上側から徐々にお湯をかけて発泡状態にします。30分くらい放置します。

浮いた汚れを歯ブラシでこすり洗いして落とします。最後にお湯できちんとすすぎ流して完了です。

汚れ予防対策
浴室から出る際にゴミ受け皿に集まった抜け毛をティッシュペーパーで取りましょう。これをしただけでも、汚れが積もらず、清掃がグッと手軽になります。

浴室の排水溝は清掃時期があくほど、ゴミ汚れが悪化します。よって、意識して取り組んでみてください。

洗面所の排水溝

洗面所の排水溝はとにかく臭いが気になる、という方が多いようです。

洗面所の排水溝の汚れ要因は、抜け毛、歯磨き粉の残り、頭皮の脂などで、洗面所でメイクするケースはメイク用品の脂やパウダーのような汚れも加わります。

洗面所のパイプ部分はN字型になっているので、汚水がパイプ内部に沈殿し、パイプ内で雑菌が繁殖し、滑りやカビ菌が生じやすいのです。内側にも汚れがへばりつき、異臭が生まれやすくなっています。

パイプ内の汚れを除去することが異臭対策になります。

準備する物は以下の通りです。

・重曹
・クエン酸
・弱アルカリ性の洗剤
・歯ブラシ

清掃手順は以下の通りです。

まず、ゴミ受け皿を清掃します。抜け毛を取ったら弱アルカリ性洗剤と歯ブラシでこすり洗いします。

つづいて、排水溝を清掃します。大さじ3杯分の重曹と大さじ1杯分のクエン酸を順番に排水溝内にふりかけます。お湯を流しながら発泡状態にし、30分ほど放置します。

歯ブラシを内部に入れて、届くかぎりの汚れを落としていきます。最後にお湯で汚れをすすぎ洗いして終了です。

汚れ予防対策
ゴミ受け皿を、ゴミを捕らえやすく清掃しやすいものに変えましょう。抜け毛が落ちないだけでも汚れは減るでしょう。

薬剤の使用検討も

ここまで、ナチュラルな清掃用具を用いた清掃方法を紹介してきましたが、それでも落としづらい汚れには、強めの洗剤を用います。

市販購入できる排水溝洗浄剤や液体パイプクリーナー、塩素系ハイターなどがそれに当たります。洗面所の排水溝の臭い防止対策として、液体パイプクリーナーの中でも水酸化ナトリウムを含む製品は抜け毛も溶かすくらい強力なので、パイプ奥側の汚れを抜け毛ごとまとめて落とします。

なかなか嫌な臭いが消せない場合は実践してみてもいいかもしれません。

ただし上記薬剤を使用する場合は、それぞれの洗剤や薬剤の使用上の注意事項を確認し、使用法を必ず守って使ってください。これらは塩素系洗剤であるケースがほとんどなので、クエン酸など酸性洗剤と同時に使うと有毒ガスが発生してしまいます。

絶対に同時利用は避けてください。排水溝清掃に息詰まった人はぜひ一度清掃の専門家も行う方法を試してみてください。

専門業者へ依頼も
ここまで自力で清掃する方法や予防法について解説してきましたが、これらの手段を試しても汚れがなかなか落ちなかったり、そのまま詰まりに発展してしまうケースもあるでしょう。

そういうときは、水道修理の専門業者に作業を依頼するのも1つの手段と考えておくと気が楽になります。

排水溝洗浄を専門業者に依頼した場合の相場価格は、面積によって変わるのはもちろんのこと、戸建てかマンションかによって排水溝の形が違うので、建物のタイプによっても異なるでしょう。

以下、料金例です。

・戸建て住宅の場合、1万7,000～2万4,000円
・集合住宅、マンションの場合、4万8,000～6万円

問題を避けるためにも見積もりは必ず取り、納得の上で依頼してください。

まとめ

この記事では、排水溝清掃で重曹とクエン酸を活用する方法について解説してきました。各所の排水溝清掃のポイントについて詳しく説明しましたので、実際の清掃イメージを持っていただけたのではないでしょうか。

ぜひ一度重曹とクエン酸を活用した清掃にもチャレンジしてみてください。

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監修者

主任

宮里 勇一

《略歴》

2017年株式会社N-Visionに入社し弊社指定の社内研修受け、高い技術力と知識を得る。
現在年間約600件の現場で緊急トラブルの対応を行う緊急メンテナンスのプロフェッショナルです。
様々な現場を対応した経験を活かしコラムでは水回りのトラブルの時に家庭でできる対処法やアドバイスなどをお伝え致します。